Logicool G PRO X SUPERLIGHT 2:遅延ゼロの「60g台」が、ついに8000Hzの扉を開けた!初代からの乗り換え価値を徹底検証【レビュー】Logicool G PRO X SUPERLIGHT 2:遅延ゼロの「60g台」が、ついに8000Hzの扉を開けた!初代からの乗り換え価値を徹底検証


ゲーミングマウスの歴史を変えた初代PRO X SUPERLIGHT(GPX)。その完璧なまでに洗練された形状と軽さに、**「これ以上進化の余地なんてあるのか?」**と誰もが思っていたはずです。

しかし、Logicool Gはやってくれました。それが今回レビューする『PRO X SUPERLIGHT 2(通称:GPX2)』です。初代の美点を完全に維持しつつ、センサー、スイッチ、そしてポーリングレートという核の部分を徹底的に刷新。特に最大8000Hzへの対応という、ワイヤレスマウスの常識を覆す進化は、初代ユーザーである私の考えを完全に変えました。

今回は、最も気になる「乗り換えの価値」と、新機能である「LIGHTFORCEハイブリッドスイッチ」の真価を、徹底的に使い込んで検証します。


1. 【結論】GPX2は初代の完成度を「未来へアップデート」した革命機

GPX2は、形状こそ初代を完璧に踏襲した「マイナーチェンジ」に見えますが、内部のコア技術は完全に一新され、**数年先を見据えた「静かなる革命」**を遂げました。

比較項目初代 PRO X SUPERLIGHTPRO X SUPERLIGHT 2評価
重量約63g約60g未満わずかに軽量化
ポーリングレート1000Hz最大8000Hz驚異的な高速化
スイッチメカニカルLIGHTFORCE(ハイブリッド)チャタリング対策
センサーHERO 25KHERO 2最大トラッキング速度向上
充電ポートMicro USBUSB-C利便性向上

これらの進化は、単なるスペックアップではなく、**「遅延の壁」「耐久性の壁」**を突破するための決定的な進化です。

2. 核心機能①:究極の遅延ゼロへ!2000Hz、そして8000Hzへの可能性

GPX2がハイエンドマウス市場に与えた最も大きなインパクトの一つが、ポーリングレートの進化です。

標準では2000Hz(2KHz)に対応し、初代の2倍となる理論上0.5msの入力遅延を実現しています。

🚀 競技シーンの最前線へ:驚異の8000Hz対応

さらに重要なのが、GPX2が搭載する**「HERO 2センサー」のポテンシャル**です。

これは、標準のLIGHTSPEEDレシーバーを介するのではなく、別途対応するハイパーポーリングレート対応のドングル(アダプター)を使用することで、**驚異の8000Hz(8KHz)**での動作を可能にする設計が組み込まれています。

8000Hzとは、1秒間に8000回もPCに入力情報を送信することを意味し、理論上の入力遅延はわずか0.125ミリ秒にまで短縮されます。

  • 体感できるか?:1000Hzから8000Hzへの変化は、一般のユーザーが意識的に体感するのは難しいかもしれません。しかし、競技レベルで、わずかな手の動きを完璧に、そして瞬時にPCに反映させたいという極限の要求に応える、まさに**オーバースペックな「保険」**です。
  • 注意点:8000Hzで動作させるためには、**PC側の高いスペック(特にCPU性能)**が要求されます。無理に設定すると、かえってCPU負荷が高くなり、ゲームのフレームレートが不安定になる可能性があるため、設定には注意が必要です。

この**「将来的な8000Hzへの対応」**という設計は、GPX2が単なるマイナーチェンジではなく、数年先まで競技シーンの最前線に立ち続けることを約束する、Logicool Gからの強いメッセージだと受け取れます。ワイヤレスでありながら、現行の有線マウスの最高峰と肩を並べるレスポンス速度は、Logicool Gの技術力の集大成です。


3. 核心機能②:メカニカルの感触と光学式の速度「LIGHTFORCEスイッチ」

初代GPXの唯一の泣き所と言われていたのが、**「チャタリング(意図しない二重入力)のリスク」**でした。メカニカルスイッチの宿命とも言える問題です。

GPX2はこれを、LIGHTFORCEハイブリッドオプティカルメカニカルスイッチという独自の機構で解決しました。

実際、私も使用していますが、かなり持ちやすく、長時間つかんでいても疲れを感じません。

🤝 完璧なクリック感と光速の応答速度の両立

このスイッチの最大の特徴は、**「メカニカルスイッチ特有の心地よいクリック感」を維持しつつ、「光学式スイッチの光速応答速度と高い耐久性」**を両立させた点にあります。

  • 耐久性: 物理的な接点がないため、チャタリングのリスクが根本的になくなりました。これは、マウスを酷使する競技プレイヤーにとって、非常に大きな安心材料です。
  • クリック感: クリック時の**「カチッ」**というフィードバックが非常にクリアで、曖昧さがありません。初代のスイッチよりも若干歯切れが良くなった印象で、高速なタップ撃ちや連打時のリズムを取りやすくなりました。

長時間のプレイにおいて、スイッチの耐久性や信頼性は非常に重要です。このLIGHTFORCEスイッチの採用により、GPX2は**「性能」「軽さ」「耐久性」**の三要素を、高次元で満たすマウスへと進化を遂げたと言えます。


4. 形状と軽さ:60g台の芸術品は変わらないか?

「もし形状が変わっていたら、誰も買わなかっただろう」――そう断言できるほど、初代GPXの形状は多くのゲーマーに愛され、完成されていました。

GPX2は、その黄金のエルゴノミクス形状を完全に維持しています。

  • 重量: 初代の約63gから、さらに約60g未満へとわずかに軽量化されました。
  • 形状: 右手用で、背中が高めの左右非対称形状です。かぶせ持ちやつかみ持ちのユーザーから絶大な支持を得ています。

このわずか数グラムの軽量化は、正直なところ「劇的な変化」ではありません。しかし、初代の段階で「これ以上軽くすると剛性が失われるのでは?」と危惧されていた中で、性能を向上させながら軽さを維持したこと自体が、Logicool Gの技術力を示しています。

🔋 USB-Cへの移行とバッテリー性能

地味ながら、初代ユーザーが最も喜んだ進化点が充電ポートのUSB-Cへの移行でしょう。Micro USBの煩わしさから解放され、スマートフォンなどとケーブルを共有できるようになった利便性は計り知れません。

バッテリー性能も進化しており、フル充電で最大約95時間の連続使用が可能です。充電頻度が大幅に減るため、ワイヤレスマウスのデメリットをほぼ感じさせません。


5. 正直なデメリットと、初代ユーザーが戸惑った点

完璧に見えるGPX2にも、購入前に知っておくべき注意点やデメリットが存在します。

❌ デメリット①:サイドボタンの変更なし

多くのユーザーが期待していたであろう、サイドボタンの大型化や配置の変更は行われませんでした。小ぶりなサイドボタンは、指の動きが小さいFPSでは有利ですが、MMOなど多ボタンを要求されるゲームでは物足りなさを感じるかもしれません。

❌ デメリット②:価格の上昇と8000Hzのカクツキ

高性能化に伴い、初代モデルと比べ価格は上昇しています。さらに、8000Hz時は、ゲームによってはカクついてしまいますし、トータルコストはさらに高くなります。

**「最高の性能」**には、それなりの初期投資が必要であることを理解しておく必要があります。

❌ デメリット③:ハイポーリングレート動作時のPC負荷

前述の通り、8000Hzでの動作は、**PC側の高いスペック(特にCPU性能)**を要求します。スペックが低いPCで無理に設定すると、かえってCPU負荷が高くなり、ゲームのフレームレートが不安定になる可能性があるため、万人におすすめできる設定ではない点には注意が必要です。


6. 【総評】乗り換えは必須か?GPX2が最強となるプレイヤーとは

初代 PRO X SUPERLIGHT ユーザーへ:

あなたのGPXにチャタリングの問題がなく、1000Hzで満足しているなら、乗り換えは**「必須ではない」かもしれません。しかし、「チャタリングの不安から永遠に解放され、8000Hzという未来の速度を手に入れる」なら、GPX2への乗り換えは価格以上の価値がある「最高の投資」**です。

新規購入を検討しているゲーマーへ:

PRO X SUPERLIGHT 2は、現行のハイエンドワイヤレスゲーミングマウスの中で、**最も信頼性が高く、万人におすすめできる「完成形」**です。その軽さ、耐久性、そして8000Hzのポテンシャルは、あなたのパフォーマンスを間違いなく次のレベルへ引き上げてくれるでしょう。

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